自転車の歴史

1817年〜1860年 ペダルもチェーンもない!?

パリの公園で「ドライジーネ」を披露するドライス男爵
パリの公園で「ドライジーネ」を披露するドライス男爵

自転車のはじまりは、実はよくわかっていません。
昔の書物や言い伝えの中には、200数十年前のヨーロッパで、車輪のついた木馬のようなものに乗って遊んでいた貴族たちがいたらしいと言われています。
そんな貴族たちのお遊びの延長線上から、自転車のはじまりと言われる「ハンドルつきの足けり自転車」が生まれてきました。

この自転車は、ドイツ人のドライス男爵(だんしゃく)と言う貴族出身のお役人さんによって、1817年に発表され、「ドライジーネ」と呼ばれています。
自転車の始祖といわれるこの「ドライジーネ」のすばらしいところは、走りながら方向を変えるための「ハンドル」がついていることです。森林管理のため、広い森を見回るのに「ドライジーネ」を使うようになってからドライスさんの仕事は、三分の一の時間ですむようになったとのことです。
1818年にはイギリスのデニス・ジョンソンが同型の自転車を発明し、イギリスでもホビーホースやダンディーホースの名で流行しました。


自転車の始祖 ドライジーネ
自転車の始祖
ドライジーネ

・車 名 : ドライジーネ
・製作年 : 1817年
・製作者 : カール・フォン・ドライス男爵(ドイツ)

ほとんど木製でできた車体にはハンドルが設けられ、方向を変えることができました。
前傾姿勢で乗車するため、肘を支えるアームレストが備わっていましたが、ペダルやチェーンもなく、地面をけって走りました。
それでも、時速15kmで走ったという記録もあります。


女性用ドライジーネ
女性用ドライジーネ

・車 名 : 女性用ドライジーネ
・製作年 : 1819年(文政2年)
・製作者 : デニス・ジョンソン(イギリス)

当時の女性は裾(すそ)が大きく広がったロングスカートをはいていたので、乗り降りしやすいようフレームを低くし、重量も軽くすることによってこうしたスカートをはきながらでも自由に乗ることができるようになりました。





伝説の木馬車 セレリフェール 伝説の木馬車 セレリフェール

・車 名 : セレリフェール
・製作年 : 1790年
・製作者 : ド・シブラック伯爵(はくしゃく)?(フランス)

木製の胴体にライオンやヘビなどの動物を真似た頭をつけ、2つの車輪を縦に並べた構造で、地面を両足でけって進みましたが、車輪が固定されハンドルもないため、直進しかできませんでした。
現在ではセレリフェールやド・シブラック伯爵の存在が否定され、空想の乗り物とされています




ドライス男爵
ドライス男爵

こぼればなし

ドライス男爵のドライジーネ誕生までの苦労


ドライスさんがはじめに考え出したのは、4輪が操作可能で自由に方向をとることのできる乗り物で、1813年に考案し、自分の力で前進する「馬のいらない四輪馬車」としてドイツで特許を申請しました。しかし、デコボコで石ころだらけの道では馬車を利用したり、走ったりする方がずっと自然な移動手段だったので、この特許は許可されませんでした。

そこで、車輪を2輪にし前輪を操作できるようにすることで、路上の障害物をよけて前進できるようになり、デコボコで石ころだらけの道でもたくみに前進することができるようになりました。
数々の失敗をのりこえ、1817年7月にはドイツのマンハイムという町からキールという町まで約50kmの道のりを4時間で走ったという記録を作りました。
この速さは当時の駅馬車の平均所要時間の4分の1にあたります。

1818年にドイツとフランスで特許が承認され、世界初の自転車が考案されたことになりました。